だれでもわかる 義仲のヒミツ
●義仲って言うと・・・ ●義仲の意外な真実 ●義仲より強い巴 ●まだまだ続くよ

「木曽義仲」・・・って聞いたことがあるけど、どういう人?という皆様に贈るコーナーです☆


第一回 「義仲って言うと・・・」

西川かおり

当サイト管理人。長野県出身。
へタレ漫画家。
丸先輩

西の高校の先輩。
動物を得意とするスーパーアシ
義仲のことはほとんど知らなかった。

先輩、「義仲って」言うとどんなこと思い浮かべます?

んー・・・一つはね、昔見たアニメの義仲と巴
なんか昔話というか歴史上の人物のアニメがあったのよ。
それはね、二人が子供の頃の話だったと思うんだけど、おぼえてます。
もう一つはね、「ワイルド」って感じ。こっちは何を見てどうってことないんだけど、なんかイメージ的に。
西さんはどうして「義仲」なの?

いやーそれは、古典の授業で「木曽最期」を習った時に、もう「これだ!」と。
義仲と兼平の友情がいいんですよ!!

ふぅん・・・同じ高校だけど、授業の内容は忘れたなぁ(笑)
西さんが高校時代にものすごく、熱く語ってたのは覚えてる。・・・今もだけど。

そうですね、気がつきゃ長い年月ですよ。
だからもう、ドラマとか見ても純粋に楽しめないというか、皆さんどういう点が気になるのかとかイマイチぴんとこなくって。 それで先輩につっこみを入れてもらいつつ、「義仲のヒミツ」に迫ろうかと。

ほぅほぅ。いろいろ教えてもらっちゃお。長野出身なんだけどあんまりしらないのよねぇ。

じゃあまずは、義仲の「イメージと実像」の話をしましょうか。

義仲ってワイルド?

実際の所、義仲ってワイルドだったの?
西さんはムッとしそうだけど、私には「ヒゲぼーぼー、毛がぼーぼー」というイメージなんだけど・・・

・・・どうでしょうね?(笑)
外見はともかく、都の貴族にはとんでもビックリだったとは思います。
当時は方言がきつかったでしょうから、何言ってんだかさっぱり?みたいな。

確かに、通じない方言って今ですらあるからねぇ。 標準語だと思って使ったら通じなかった・・・そんな上京物語私にもある。
「ずく」とか、これ読んでる方、わかりますか?

気をつけて標準語使ってるのに油断すると、つい・・・語尾に「だに」がついたり(笑)

そうだに〜

だから、義仲が言っている事が都の貴族や人々にストレートに伝わらず、誤解される場面も多かったでしょうね。 それに、都と地方では価値観が違いますから。義仲の常識は都の非常識。

うむ。

だけど、気をつけて欲しいことは、 都の常識が「正しい」というわけではないこと。
都のやっていることの方が、人間としてどうよ?という所も多いわけで。

貴族といえば、ドロドロだもんねぇ。

ところが、悲しいことに、現在義仲の時代を知る手段は、そんな都で書かれた史料だけ。
都の常識にのっとって書くわけだから、義仲は当然ワイルドに書かれてしまう。
それを礎に歴史学が語られれば、義仲はワイルドになってしまう。
そんな歴史学を礎に創作物が作られれば、義仲はやっぱりワイルドに・・・
そして、終わりなき「ワイルドスパイラル」


義仲「擁護派」はいないわけ?

うーん。義仲と同時代の貴族・九条兼実の日記「玉葉」あたりは、義仲をムチャ持ち上げている時期もあれば、がっかりしてる時期もあったり、生々しいよ。 持ち上げてる時は「院を戒める天の使い」とか言って。すごい持ち上げよう。
「平家物語」なんかだと、もうこれは後世の作だから、ほんとかどうか微妙なんだけど、 「見目良き男」とか出てきます。ただ、そのすぐ後に「だけど無骨」って書かれてるけど(笑)

行動は理解不能だったけど、貴族から見ても顔は良かったってわけ?
ねぇ「ヒゲぼーぼー、毛がぼーぼー」は!?


どこから来たのか毛だらけ義仲


ぶっちゃ毛、いや、ぶっちゃけてしまいますとですね、私も一時期義仲に、不精ヒゲをつけてました(爆)

高校時代だよね、覚えてるよ・・・義仲様、おまけにマッチョだった。だけど、髪型は今と同じ(笑)

顔も同じですよ。私的には。先輩から見ると画力にだいぶ差があるんで違って見えるかもしれませんが(涙)
ただ、無精ヒゲを描いてましたね。
でも、日本史学科に進んで、どんどん義仲を調べてったら、ヒゲをつける気が無くなっちゃった。
その辺に「ヒゲぼー義仲」のヒントがあると思うんです・・・。

んん〜?

ヒゲを描いていたころの私は、平家物語の原文を読み終わって、とにかく義仲が出てるものなら何でも!という勢いで「新平家物語/吉川英治」を読んでました。

「新平家」!漫研で流行ってたよねぇ・・・

そう、「新平家」・・・義仲様の登場シーンがですね、いきなり温泉に浸かってるんですよ(爆)
しかもそれが別所温泉(西の実家から車で5分の超近場)で、私も浸かりにいきました。
上田には義仲ゆかりの温泉がいくつかあるんですよ(笑) 謎です。

へ〜知らんかった…

まあ、そんな話はいいんですが、
・・・確かそこに、「バーバリアン」って書いてあった記憶があるんです。 ・・・いや、もしかしたら並行して読んでた源平関係のエッセイ系の本かもしれないけど・・・まあともかく、「新平家」は読んだ時、なんかすごくショックだったというか、インパクトがあったんです(涙)
他にも、衝撃的な義仲に対する形容詞が・・・あんまり言いたくないんですけど。

そして、義仲様に無精ヒゲが・・・

そうそう。
「新平家」はその後、研究をしてくうちに自分のイメージと全然違うって思ったから、読み返してないんですが、一般的に義仲のイメージを決定づけた作品だったのかな?と思います。
ただ、「新平家」は結構映像化されてるんですけど、昭和31年の映画「義仲と三人の女」なんかは、長谷川一夫さんが義仲で、ありえないぐらいイイ男なんですよ(爆)
大河はどうだったのかな? 残念ながら私は見てないんですけど。
NHK人形劇の時は、ガタイはでかいけど、しっかりしたいい顔に作ってありました。

「新平家」じゃないけど「武蔵坊弁慶」の佐藤浩市さんなんかも、評判良かったよねぇ。

「弁慶」といえば、長野五輪のころには五木ひろしさんが義仲を演じたこともありますよ。
ぜんぜんヒゲぼーぼーじゃないでしょ??
だから、作られた映像よりも、文章で入ってきて、頭の中に創られるイメージって、強いんだなって思います。

なるほど・・・私はさぁ、「火の鳥」かなと思ったんだけど。あれ、歴史のパートで義仲出てたよね。
ワイルド系だったような記憶がうっすらと・・・

確かにワイルド系でしたよね?
どれどれ見てみましょうか。
「火の鳥」・・・まんがで見る義仲像
そんなわけで、「火の鳥」です。

本棚からすぐ出てくるあたりが(笑)

「平家物語」をベースにしたストーリーは乱世編。
清盛〜義仲〜頼朝と「平家物語」と同じ流れで出てきます。でも義経はストーリーの軸に関わって最初から最後まで出てくるメイン人物になっています。とはいえ、主役はオリジナルキャラですが。

さすが手塚先生。おもしろいわぁ・・・

せんぱーい読みふけらないで下さいよ(笑)
確かに、いろんな方が「平家物語」を作品化してますが、「火の鳥」はケタ違いのおもしろさです。
視点のぶれがなくて、「火の鳥」が象徴するテーマに向かってすべてのキャラクターが・・・って
先輩聞いてます?

ああぁ〜読みふけっちゃった。てへ
・・・それが真実っすよ。すべてを語ってます。読み始めたらとまらないのが、おもしろい漫画っつうことっす(涙)
でもこの義仲あんまりヒゲボーじゃないね。ワイルドだけど。

そうですねぇ。では画像で見てみましょうか。
(角川文庫版「火の鳥 乱世編(下)」より引用)

ハイこれが義仲様。こんな感じで登場して、


こんな感じに喰ってます。


義仲軍勢では、志田義広叔父も出てます。この人を出してくるあたり、本当に手塚先生は視点が鋭いなと思います。
ぼーっと「平家物語」読んでたら、たくさんいる義仲の仲間の中でこの人をチョイスしないです。やっぱりテーマに向かって・・・
って先輩!!

あぁーまた読んじゃった。みてみて、これ。何でかな?手塚先生が義仲軍勢にいるよ?

これは「光盛」!・・・この人、名字が「手塚」なんです(笑)

なるほど(笑)
ほんっと「火の鳥」は面白いね。義仲はワイルドだけどあんまり嫌な感じはしないし・・・

義経がサイコーにイヤなヤツなのもミソですね。「タッキー義経様」のような麗しの義経様が好きな方はやめておいた方がいいかも・・・
でも「火の鳥」の義仲は30ページぐらいしか出てこないんで、まー端役ですね(涙)

たしかに、ページ的には思ったほど出てなかったね。頼朝に比べればきっちりドラマを作ってもらってるけど。
ほんと「ヒゲボー義仲」は「野性」とか「ワイルド」とか「バーバリアン」という言葉から頭の中に作られたイメージ像なのかもね。

今回は二次創作物から「義仲のイメージ」について追求してみましたが、次回は平家物語(延慶本)から「義仲の意外な真の姿」に迫りたいと思います。 またお付き合い下さいね。 

終(更新2005年4月2日)
次回は「義仲の意外な真実〜横田河原合戦後の義仲〜」
木曽義仲の基礎知識/kaori-nishikawa1996